イベント 内容 | 古くから「さぬきのこんぴらさん」として親しまれている香川県琴平町の金刀比羅宮には、数多くの書画、彫刻、刀剣等が伝来してきました。
その中でも、万治元年〜3年(1658~60)に建てられたとされる表書院・奥書院(共に、国の重要文化財)には、数多くの障壁画が残されています。一般公開している表書院では、「水呑の虎」をはじめとする円山応挙の障壁画(国の重要文化財)を中心に、明治時代の歴史画家、邨田丹陵による「富士の間」、玄関には森寛斎による「檜樹鷲図」が多くの人々の目を楽しませてきました。
一方、別当の館として建てられた奥書院は、通常非公開。江戸時代中期に京都で活躍した伊藤若冲の「百花図」、天保15年(1844)に描かれた岸岱の「若松の図」「花菖蒲に水禽の図」「群蝶の図」「柳に白鷺の図」など、部屋ごとに趣向を凝らした障壁画が残されています。特に伊藤若冲の「百花図」は、上段の間と呼ばれる6畳の小さな部屋に、四方を囲むように201点もの花々が描かれており、昨今の若冲人気もあり、展覧の希望が非常に多く寄せられてきました。
しかし、長い年月の間に劣化が目立ちはじめ、上段の間「百花図」は、2009年の床の間の修復に続き、西側の障壁画と襖絵4面も修復する運びとなりました。
今回の展覧会では、2021年11月より修復に出していました「百花図」4面(裏面には岸岱筆「春野稚松図」)及び障壁画の一部が、今年3月に修復完了したことを記念して、通常非公開の奥書院を特別に公開するものです。 |